【リトグリのミューズノート】https://www4.nhk.or.jp/muse/
この番組は、リスナーのあなたと一緒に楽しみながら、いろんな企画を通して毎回新たな音色を集め、リトグリが“音楽のミューズ”を目指すミュージックプログラムです!
NHK-FM 毎週木曜 午後11時 | 再放送 翌週木曜 午前10時 / ラジオ第1 再放送 毎週木曜 午後4時05分
(番組公式サイトより引用)
※この番組は、2024年3月28日をもって放送終了しました。
※文字起こしはところどころ省略していますのでご了承ください。
※番組内で紹介された音楽は、可能な限りYouTubeの公式動画を貼っています。
第7回『「BRIGHT NEW WORLD」大解剖スペシャル』(2020/2/20 初回放送)
♪オープニングBGM♪ "I Feel The Light featuring Earth, WInd & Fire" Little Glee Monster
manaka:こんばんは!manakaです。
かれん:かれんです。
MAYU:MAYUですっ。
芹奈:芹奈です。
アサヒ:アサヒです!
全員:Little Glee Monsterで~す!!
manaka:さあ!この時間はミューズノート。この番組はリスナーのあなたと一緒に、楽しみながらいろんな企画を通して、毎回新たな音色、ノートを集め、リトグリの音楽のミューズを目指していく、ミュージックプログラムでーす。
かれん:はいっ。
MAYU:はい!
manaka:さて私達 Little Glee Monsterは、先日、5枚目となるアルバム『BRIGHT NEW WORLD』をリリースしましたー!!(パチパチ)
全員:やったー!!ありがとうございまーす!!(パチパチパチパチ)
manaka:ということでですね。
かれん:はい!
manaka:今夜はそのニューアルバムを、ガッッツリ!特集していただきたいと思いますっ。
全員:はい!
manaka:ええっとですね…。でもね?
MAYU:うん。
manaka:ミューズノートですよ?
MAYU:うん。
manaka:もう、ちょっと切り口が、違います。
MAYU:違うと!
芹奈:あらあら。
manaka:そうですよ。
芹奈:そうでしょう。
manaka:ただの特集ではありません!
芹奈:そうでしょう!
manaka:なんと今夜はスタジオに、今井了介さんにお越しいただきまして、プロデューサー目線でニューアルバム、そして、リトグリサウンドを分析していただこうと思いまーす!!(パチパチ)
全員:おおー!!(パチパチ)
MAYU:豪華ですねっ。
芹奈:豪華。贅沢ですねぇ。
manaka:すごいですよっ。ゲスト、お越しいただいたんです。では、今井さんにはこの曲の後に、ご登場いただきますっ。
芹奈:ということで、早速お送りするのは、今井さんに作詞作曲いただきました、この曲です。Little Glee Monsterで"ECHO"。
M1: "ECHO" Little Glee Monster
かれん:聴いていただいたのは、Little Glee Monsterで、"ECHO"でしたあっ。
manaka:はあい。というわけでですね。ゲストにお越しいただいたのは、先ほどの"ECHO"も作っていただきました、音楽プロデューサーの、今井了介さんでーす!
今井:はい、皆さんこんばんは。音楽プロデューサーの今井了介です!よろしくお願いしまーす!
全員:よろしくお願いしまーす!!(パチパチパチパチ)
manaka:ということでですね、今日の番組では、今井さんをお迎えして、私達のニューアルバム『BRIGHT NEW WORLD』と、リトグリサウンドを大解剖していこうと思います。
全員:おお~!!
manaka:はい。そこで改めて、今井さんをご紹介させていただきますっ。
今井:ありがとうございます!
manaka:1999年に制作した、DOUBLEさんの"Shake"が大ヒット。それ以降音楽プロデューサーとして、w-inds.さんや三浦大知さんなど、HIP HOP、R&Bを中心に数多くの作品を手掛けられています。2010年にはプロデュースしたTEEさんの"ベイビー・アイラブユー"が爆発的、ヒット。更に、2016年には、リオオリンピックのNHK公式ソングにもなった安室奈美恵さんの"Hero"の、作詞作曲、プロデュースをされました。
全員:ん~!はい。
manaka:ほんっとにすごいです。
今井:いやーありがとうございます。こんなに丁寧なご紹介していただいて。
全員:あはははははっ(笑)
今井:すいません、公共の電波で。ほんとに(笑)
manaka:いやいやいや(笑)でもかれんとかは、三浦大知さんが大好きなので。
かれん:はい。
今井:ねっ。なんか共演できるといいですねぇ。えへへへ(笑)
かれん:えー、したいですぅ…。ふふふふふ(笑)
全員:あははははは!(笑)
今井:的なね~。ははっ(笑)的なねぇ~(笑)
全員:きゃははっ(笑)的なねー!(笑)ふふふふ(笑)
今井:的なね~(笑)もう時は2020ですからね?
全員:はあい(笑)実現したいですね。うんうん。
今井:実現したい、させたいですね。はい。
manaka:あのミューズノートは初めて、ゲスト、お越しいただくので。
今井:あっ、そうですよね。光栄ですなんかこんな。
全員:そうです。ありがとうございます。
今井:もうほんとおじさん一人ぽつねんとね?ほんとに。
全員:いやいやいや(笑)光栄です。
今井:ありがとうございます!
manaka:そんな今井さんと私達リトグリは、今回"ECHO"で初めて、お仕事をご一緒させていただきまして。
今井:そうなんです。ねっ。
manaka:はい。あの、最初リトグリとの初めて、曲を一緒に作らせていただくというお話がきた時、どう思いましたか?
今井:いや、僕ずっともう、もちろん存在は知っていて。
manaka:ありがとうございます。
今井:なんかこう、しかも僕、さっきね、ご紹介いただいた通りやっぱR&Bとかすごい好きだったんで、グループで、やっぱこの歌のコンビネーションが、やっぱソロシンガーだと絶対にできないことがグループだとやっぱできたりするじゃないですか。だからこう、ああなんかこういうグループがいて、なんかこんなことをやったら面白そうなのになーとか、一人で妄想してる時期がまあまあありまして(笑)
全員:ええー!!(笑)すごい!嬉しい。
今井:でもなんかこう、きっかけをねいただいて、今回の"ECHO"って曲がそのやっぱ、ワールドカップラグビーの曲になるということで、まあ気合入りましたよ。なんか、そう。
全員:うん、うん。わあー。
MAYU:ありがとうございますっ。
今井:でもやっぱりね、なんかこう、皆さんは、リトグリちゃんって、「ちゃん」ってつい、呼びたくなっちゃう、やっぱ。ほんとにもう、今でこそ皆さんもうね、すごく大人の女性になってきてる、ちょうどその最中に妙な感じしますけど。なんかやっぱ可愛らしい、くて、なんかみんなで和気あいあいと、ハーモニーに溢れる曲を歌ってるってイメージがすごく強かったんで。ぶち壊してやる…!!みたいな(笑)あははは!(笑)
全員:あははははは!!(笑)あー、うんうん。
今井:なんか違う切り口で、このグループがまた輝く瞬間みたいなのを。しかもほら、ラグビーってとっても、真摯で男性的で、そしてすごく力強いスポーツじゃないですか。
かれん:うん、そうですね。
全員:うんうん。
今井:そこにやっぱりこう、女性の、アーティストが歌うということで、そこになんか共通点がね、どんなものが見いだせるんだろうみたいなのをいろいろ考えながら、トライさせていただきました。はい。
全員:うんうん。へえ~。ありがとうございます!
manaka:せっかくね、こうしてゲストで、お越しいただいてるので、もう私達、こんな機会もないと思うのでたくさん、質問させていただこうと思います!
今井:うん、ぜひぜひ。でもほんとはみんなリトグリちゃんの話を聞きたいんじゃないかという…。ファンの皆様にねぇ。
全員:いやいやいやいや。
manaka:リトグリの話はもう、たくさんだと思いますっ。
MAYU:あはははは!あははは!(笑)
今井:いやいやいや(笑)これリトグリのファンが聴いてる番組でしょ?みたいな(笑)あはは(笑)
manaka:なんかもう、ちょっと、いっぱい質問攻めしたいと思います!
今井:はい。ありがとうございますっ。
かれん:じゃあまず私から。
今井:はい。
かれん:私かれんが、質問したいと思います。あの曲作りを、始める時はまず何から、始めますか?
今井:えっとねぇ。やっぱテーマが、自分の中で何を一番太くテーマにするかを、とっても長い時間かけて結構妄想します。あの、ほんとに作業に取り掛かる日までに、結構あのー。だから今回の"ECHO"だと、やっぱりいろんなラグビーの映像とか試合の映像とかを、観ながらでも音だけ消して、自分の頭ん中でこれを観たらどんな音が鳴るんだろうなあ、とか。うん。
かれん:あー。
MAYU:ああ~。
manaka:ん~。
芹奈:へえ~。
かれん:なるほどぉ~。うんうんうんうん。
今井:なんかそんなようなイメトレというか。イメージを固めてみたり。でもなんかこれは、"ECHO"はそうだっただけであって、でもやっぱり、なんか、「こんな言葉とか、キーワードをテーマにした曲が作りたい」だったらそのワード選びから始まって。その、ワードって、既にリズムを持ってて、リズム=音符、つかリズム譜でいうところのリズム=もう既に譜面に落とし始められて、でそこにコードとかついたらコードの中でそのリズムが息ずむと、それはもう既にリズムからメロディーになって。なんかもう言葉とか、例えばじゃあ、なんだろな。う~ん。ま適当です。「インフォメーション」って言葉があったとすると、それはもう「タン タ ター タ」っていうリズムなわけです。
全員:うんうん。んー。へー。はい。
今井:でこれなんか決まった、コードの中にこのリズムを乗っけたい、それぐらい例えばすごく大事なキーワードだったら、それが一番気持ち良く響く、このパーツを探してみたりだとか。
全員:へぇぇ~。
今井:ワードから始まるとそういう、結構ディテールなんだけど、一番心地良く、そのアーティストのキーの中で響きやすいとか。そこをイメージしていったり。でもやっぱ踊る曲だったらビートから先作っちゃうとか。
全員:あ~。お~。
今井:そうだからその曲が、どっちに向かいたいのかも、一番幹となったり根っことなる部分がその曲にとってどこなのかを、一生懸命考えて、でそこから妄想して、でこう、とっかかりを作って…てのが多いかもしれないですね。
芹奈:なるほど~。
かれん:すごい…。
今井:そう、だから"ECHO"の時は確かにラグビーの映像をたっっくさん観ました、ほんとに。
全員:ありがとうございます。
今井:はい。なんか、なんなんだろね、今日は(笑)なんか面白いね(笑)
全員:あははは(笑)
芹奈:えー、次私、芹奈が質問していいですか?
今井:はい、お願いします。
芹奈:作詞をする時、自分の経験に基づいて書くのか、それとも想像で書くのか、すごく知りたいんですけど。
今井:あー、あのー。多分人生で10曲ぐらい書いて終わっていいんだったら自分の経験だけでも、いいのかもしれないんですけど。やっぱり、自分とは違った異性の、例えば僕だったら女性の曲ももちろん書きますし、違った年齢の人、違ったとこで育った人、そういう人達の曲も書くとなるとやっぱり、どこかに自分が他の人格になったような憑依というか、ストーリーを紡いでって。なんかその、自分の人格とは違ったとしても、だって自分の人格だけだったらほんとにもう全世界の人口分の1の人しか、100パーの共感はできないでしょうから。
芹奈:そうですね。うんうん。
今井:だからもうちょっと広げる意味でも、自分の経験以外のもの、というのもやっぱり、なんかすごく参考にというか、世界観を作る時にしてる気がします。だからいっぱい映画を観たり、
全員:ああ~!うんうん。
今井:本をたくさん読んだり、例えば新聞とか、そういう世界の状況って今どうなってんだろうとか。なんかいろんな状況の中で人々って何を思ってるんだろうとか。なんかそういう、やっぱ誰かになりきるとか、この人だったらこの状況をこう思うかもしれないとか、そういうのは結構、自分じゃない人格になり、なりすましてみるっつとアレですけど、なってみるっていうのは結構、大事なことだと思う。
全員:へぇ~。
今井:だってやっぱり僕が今、じゃあ19、20歳の女性たちの、気持ちを書く時に自分の経験、でもうどれも、今もうどれも合ってないじゃないですか!?(笑)
全員:ああ~。うんうん。
今井:そうだから、その子達だったらどう考えるのかなあとかって一生懸命考えてるとこはあるかと思います。
芹奈:そのコツを掴んだタイミングとかってあるんですか?
今井:例えば…ちょっと話が一瞬反れちゃうんですけど。ビートを作るってやっぱすごいトレンド、その時代とか、2019、2020年に流行ってる音色(おんしょく)とかビートの感触がありますけど、なんか詞とかメロディーって結構、人生の経験を得てくことで結構熟成していく才能の一つだと思うんですね。だから、例えば映画とか観ても、子どもの頃、おんなじ映画を、ほんと好きな映画で、5年おき10年おきぐらい、何度か観る映画とかあるんですけど。子どもの頃って主人公しか追いかけてないんですよ。でも何年か経って観ると、その助演の人達の気持ちも考えるようになってみたり。
全員:うんうん。あー、うんうん。
今井:更に何度か観てると脇役を固めてるような、その人達の生い立ちとか、なんかその家族とかどういう気持ちでこの役の人達の周りの出来事が起きてるんだろうとか考えてみたりとかして。なんかその感じることができる幅が、自分の人生を重ねていくことで。一番わかりやすいのが結婚式です。人の結婚式行って、
全員:ええーっ。あー。
今井:やっぱりなんか、もうこの歳になると、親が子を、自分の式に出してやる気持ちもわかれば、そのカップルが、例えば結婚式で二人のスライドとか、赤ちゃん時のスライドとか出てきて、でこの日出会いました!みたいな。ぶわああ!みたいな。
全員:あはははは!!(笑)
今井:泣けるう~~!みたいな(笑)運命~~!みたいな(笑)
全員:きゃははっ!(笑)あー、うんうん。あっははっ!(笑)
今井:なんかそう、なんかその、いろんな人の気持ちに、なれるというのが、やっぱり人生をね、積み重ねてきたことによって、思いやりにも繋がる瞬間、あると思いますし。なんかそれが作詞とかにやっぱ生かされる瞬間ってのはあるのかなーって気がするんで、僕は結婚式大体5回ぐらい泣いてます。
全員:ええー!!すごい!(笑)
今井:まああのほら、ね。新婦がお父さんお母さんに宛てた手紙とかも、号泣じゃないですか。
全員:あー、うんうん。
今井:まああれはまだわかるとして。なんかもういろんな想いが、思い余って、「それでは新郎新婦の入場です!」ってパーン!って入った瞬間にダ~~!って(笑)
全員:あっはははは!!(笑)
今井:よくうちのスタッフに「今井さん何で泣いて、今泣くとこじゃないですよ。」とかめっちゃなんかこう、ツッコまれたりしますけど。
全員:あっはははは!!(笑)へえ~。
今井:なんかその人達がその日に至るまでの、ストーリー、そのだからいろんな結婚式の準備したり、出会ってどうして結婚しようと思ったかとか、勝手に想像して、一人で盛り上がって泣いちゃってるんですよね(笑)ダ~~!って。
全員:うん、うん。へえ~~。すごーい。
芹奈:そういうことか…。私達まだ結婚式を、行くっていう経験が、ないので…。
かれん:ないね~。
今井:ご家族とか、親戚とかでもまだないですか。
芹奈:ない、ですねぇ。
今井:なるほどー。これまた…。
芹奈:いろんな…。
今井:すごいなんかこう、魂が、集まる場所ですからね。人生を決めるというね。
かれん:そうですねぇ。うん。
今井:場所なんで、すごい良い経験になると思いますけど。はい。
manaka:はい。そんなところでですね、『BRIGHT NEW WORLD』から次の曲にいきたいと思います。こちらも、今井了介さんに作詞作曲していただきました、"In Your Calling"です。今井さん、この曲を作る時は、どんなことを、意識されて作ったとか、ありますか?
今井:この曲も、なんかあのー、先ほどの"ECHO"っていうのがどちらかというと曲調とか、そのラグビーってものを背負ってて、その曲調とかって意味で、リトグリさんの新しい側面が出たらいいなって思ったのとは裏腹に、"In Your Calling"は、歌詞かな。
全員:あー、うんうん。
今井:この歌詞が持ってる世界観が、なんかその、超具体的に「少女が大人の女性になっていく」。その時になんか思うこととか、何かこう、自分も逆に言うと大人になってみて、自分がどこかで何かを脱却してちゃんと次に行けたりとか、でもやっぱ子どもの純粋な心を忘れちゃいけない瞬間とかいろんなことを味わうわけですよ。そんな思いが、リトグリさんの5人に対して、5人が歌った時にファンの方々とか、周りにいる大人とかが何かを思い出したりとか、そんな曲になったらいいなあと思って、書きました。
manaka:はい。それでは聴いていただきます。Little Glee Monsterで"In Your Calling"。
M2: "In Your Calling" Little Glee Monster
MAYU:Little Glee Monsterがお送りしているミューズノート。今夜はゲストに、音楽プロデューサー今井了介さんをお招きして、私達のニューアルバム『BRIGHT NEW WORLD』とリトグリサウンドを大解剖しております!
manaka:聴いていただいたのは、Little Glee Monsterで"In Your Calling"でしたー。(パチパチパチ)すごいあの、"In Your Calling"を作る時のイメージだったりを、曲聴く前に聞かせていただいて。
今井:うんうん。
manaka:で曲を聴くと、そういう意識でこの曲ができたんだなとか思うと、すごいまた、より好きになりますね。元々ほんとに大好きな曲なんですけど。
今井:ありがとうございます。
manaka:そしてここからもまた今井さんに、質問していきたいと思うんですけど。
今井:はい。
manaka:MAYUとかありますか?
MAYU:はい!えー、じゃ私MAYUが、質問なんですが。
今井:はい。
MAYU:ま、ちょっとこれも繰り返しになってしまうかもしれないんですけど。この"In Your Calling"も今井さん、作詞作曲をしていただいて。どちらもされることも、多いと思うんですが。
今井:そうですね。詞だけの時もありますし、作曲だけの時もあればね、編曲だけの時ももちろんあるけど。
MAYU:そうですよね、両方。
今井:今回、ほんと"ECHO"と"In Your Calling"をね、全部やらせていただいて。でも自分が、作りたい世界観を、ギュウ~ッとこう。最近コライトっていう手法がすごく、世の中一般には流行っていて。そういうトラック作るプロデューサーさんと、トップライナーって呼ばれてるんですけど、そのベースになるトラックに対して主曲を考えるプロフェッショナル2~3人と、ま3~4人ぐらいのチームでスタジオ一緒に入って、一日かけて一曲作るっていうのが、結構僕ももう何年もずっと海外でセッションしたりしてく中でやってたんですけど。なんか、あのー…すごくクオリティーが高いものが、すごく短時間でできるんです。
全員:ふ~~ん。
今井:それはやっぱり、自分が一番得意な部分だけをみんなが出し合ってギュッと短い時間で。
かれん:そうですねっ。うんうんうん。
今井:で、これってすごく、良いようで、ほんと全部のクリエイティブコントロールとか意外とできなかったり、得意なとこばっか伸びて苦手なとこ人任せみたいな、悪くいうと今度悪い…(部分が出てくる)。だから、やっぱなんかこう自分で一回全部作ってみようと思うと自分は何が苦手かとか、ほんとはもっとこういう世界観の言葉を紡ぎ出したいはずなのにまだ出せてないとか、全部自分で無理矢理気づかされて頑張ったりとか、そういう意味でも、なんかこう世界観をより濃厚に、出すために作詞作曲編曲というのを、一人で全部やるっていうのは、やっぱり僕は、ほんとはなんか、好きなんです。そういう制作スタイルが。ただ、もちろん、アーティストさんが自分で詞を書きたいって仰るケースもあれば、レコード会社さん的にはこのアレンジャーを起用したいとか、いろんな狙いがあってすることもある。もちろん、その共同作業かな、もいっぱいやりますけど。なんかこう、想いが強い曲であればあるほどやっぱり、一度自分で全部完結してみたいっていう気持ちには、すごくなるんで、作詞作曲両方やれる曲はすごい自分の中でも達成感がすごいです、やっぱり。
MAYU:その、曲って、毎回そのどちらも全てやられる時って、例えば詞から入るとか、曲から入るとかは決まってるんですか?それとも毎回曲によって違いますか?
今井:そう、さっきもチラッと言った通り、やっぱどの曲も、その曲の何が一番、大切なのかっていうのを、一人で悶々と考えるんです、すごく(笑)それが決まってから、その楽曲の制作に取りかかることが多いかもしれないですね。
manaka:いやほんとになんか、脳がどんぐらいあれば、今井さんになれるのかってぐらい…。
今井:いやいやいやいや(笑)
manaka:もうこの短時間だけでもすごい、そう感じるんですけど。
全員:うんうん。ねっ。
manaka:なんか、今井さんの中で、すごい音楽を作る中での、モットーやったり、座右の銘とかってあるんですか?
今井:…「座右の銘」までいくと難しいけど、なんか僕もお仕事してたり、もうちょっと広い意味になっちゃうんですけど、お仕事はもうやっぱり人が生きていく上でね、社会との関わりって大事なポイントなんだけど。僕がいつも思うのは、"Your happiness is my happiness."じゃないけど。自分が作ったものとか自分の行動とか、自分が生きていることによって周りの人に幸せの連鎖が起きたりするのが、より自分が幸せになっていくって。音楽ってそういうものじゃないですか。
全員:そうですね。うんうん。
今井:多分、5人が歌った、紡いだハーモニーとかの美しさとか言葉の強さとか、「なんか元気もらいました」とか「感動しました」とか「超ライブで盛り上がりました」とかそうやって、自分が発したものによって人が幸せになってくれてる、楽しそうにしてくれてるのが、やっぱり多分アーティストさんにとっての、絶対的なハピネスだと思うし。
全員:うんうん。はい。
今井:なんかそういう、「自分が自分が」って、もちろん芸術なんで、自分の方向性も強く出さなきゃいけない時もあるかもしれないけど、やっぱでもその"Your happiness is my happiness."っていうのが、僕の中に柱として、音楽に限らずある気はしますね。ありたいなという希望も込めて。
全員:はい。はい。なるほど~。
manaka:はい。そんな今井さんには、ご自身の本の中でも"ECHO"について書いてくださっていて、その中で、「少女から大人になる過渡期にいるリトグリに、本当に必要な曲ってなんだろうというのを意識して作った」というお話もね。あの私達も読ませていただきました。
今井:はい、あの『さよなら、ヒット曲』というね、本を上梓させていただいて。
manaka:いやもうほんとに、すごい今お話を聞いてても、多分本にしか書いてないこともたくさんあると思うので、ほんとに皆さんに読んでいただきたい本なんですけれども。
今井:嬉しいです、はい。
manaka:音楽についても、すごくより深くわかるような内容になってると思うので、ぜひ、たくさんの方に読んでいただきたいんですけど。これからのリトグリに、どんなことを吸収していってほしいとかって、今井さんから見て、ありますか?
今井:…どうですかね?多分やっぱりいろんな人とこれから多分、やっぱどう考えても、これから生きていく年月の方がきっと長いわけで。その中には、あのーこんなこと言ったら事務所の人に怒られちゃったらごめんなさいだけど、
全員:えへへ(笑)はい。
今井:ま、恋をしたりさ、また新しい趣味ができたり、なんか人生のいろんな、今まで知らなかったものと出会ったり、夢中になれるものと出会ったりすると思うんで、そういうものをどんどん、歌という表現方法の中に落としていけると。やっぱ歌は多分、この"In Your Calling"のCallingもそうですけど、「your calling」って「天職」とか、「天の召すままに」みたいなそういう意味合いがあるので。
かれん:はい。はい。
-----※途中で録音データが破損していて一部文字起こしできませんでした(T_T)※-----
今井:色濃く書いてる詞だったりするんですけど。なんかその中で、なんていうのかな。この、ビヨンセの圧倒的表現力?
全員:うん、うん。
今井:なんか、僕らって、全体的には譜面と、言葉がどんな風にハマってて譜面に起こせる曲ってのは全体的にやっぱポップスってね、特に日本はカラオケとかも人気だから、あんまり難しすぎて歌えないって曲も…あでも最近難しい曲流行ってんね(笑)ヒゲダンとかKing Gnuとか(笑)
全員:あははは(笑)
今井:こんな曲歌えねーよ!みたいな(笑)たっけー!みたいな(笑)ありますけど。
全員:あははは(笑)
今井:でもまあ、やっぱりポップスとして、一定の譜面にきちんと書き残せたりとか、するぐらいの、なんていうのかな。音楽としてきちんと収まってる、ていうものが多いと思うんですけど。この"Cater 2 U"を初めて聴いた時に、もうなんか、どこまでが譜面に起こせて起こせないのか、字余りというか。
全員:あ~。うんうん。
今井:字足らずとかそういうのも全部この、ただただ、このビヨンセという人の凄さで、もう無理矢理、落とし込んだ曲だと思うわけ(笑)
全員:あははは(笑)あ~、うんうん。
今井:なんかこういう、なんかでも、とっても音楽してると思ったのね。その、ポップスなんだけど、各々多分皆さんが、自分が得た経験とかに対して、例えばレコーディングではこうだったけどライブでやる時はもっとこんな風に歌いたい!とか崩したい!とか思った時に、音楽ってこんなに実は歌い方も自由にできるんだみたいなことを、この曲でもう一回みんなで確認して、歌の表現ってもっと無限大なんだな、みたいな。いやほんと無限大なくらい、とんでもねー具合の曲なんですよこれが。
全員:あははは(笑)
今井:だって歌詞見てても全然追い付けないですもん。
芹奈&manaka:あ~、はい。
今井:なんかそんな、圧倒的な歌唱力とかも含めて一回、今また改めて聴いてみたらいいんじゃないかなーと思いました。それではお聴きください。Destiny's Childで"Cater 2 U"。
M3: "Cater 2 U" Destiny's Child
Destiny's Child - Cater 2 U (Video Version)
manaka:聴いていただいたのは、Destiny's Childで"Cater 2 U"でしたー。(パチパチパチ)
今井:いやあ…超絶ですね。
全員:いやあ、ちょっとね。もう。
かれん:ちょっと、すごすぎて笑いが出たくらい(笑)
全員:あはは、うん、うん(笑)
今井:もう歌いだしから笑っちゃうもんね(笑)
manaka:なんやこれ!っていう波ですよね。すごいですよ。
今井:ね~…。でもやっぱ情感のこもり方が、やっぱR&Bって魂の音楽だなってすごく思うので。
全員:うんうん。
今井:皆さんに、もちろん歌ってね、ゴスペルもポップスもいっぱいあると思うんですけど、でもすごいエモーショナルな曲だなって思って聴いていただきました。
全員:ありがとうございます!
manaka:今井さんから見て、メンバーそれぞれの歌い方だったり声とか、すごい一番、特徴的だなって思うメンバーとかいますか?特に。
今井:いや、みんな各々個性抜群に(笑)
MAYU:あはははっ(笑)
manaka:バラバラですよね!みんな(笑)
今井:バッラバラで。それはなんか去年の年末に実はライブにお邪魔して、やっぱその、演出上も含めて皆さん自分のキャラクターとか、こういう風に見える、それに対してこういう歌唱だったりとかって、なんかその、すごい皆さん出来上がってんなっていうか(笑)
MAYU:あははっ(笑)
今井:さすが芸歴何年だっけ、デビュー5年、5周年?
かれん:5周年。そうです、6年目に入ります。
今井:ですよね。だからやっぱ、あーもう…仕上がってるなこの人たち!って思いましたよ(笑)
全員:あっははは(笑)いやいやいや。
manaka:恐れ多すぎますけれども…。
今井:いやでもね、なんか、皆さんソロのコーナーあるでしょ?
かれん:はいはい。
今井:あそこにやっぱなんか音楽の趣味とか、
芹奈:うん、確かに。そうですね。
今井:方向性とか、「こういうのがやりたい」がすっごい、にじみ出てるなあっていうのは、すごい感じましたね。
かれん:嬉しい。
今井:芹奈ちゃん、異常にセクシーでしたもんね、なんかね?
芹奈:ありがとうございます。
今井:ここ、すごぉーい…みたいな(笑)すごぉーいって思いました(笑)あははは(笑)
全員:あはははは(笑)
芹奈:(笑)アギレラの曲で。はい。
今井:ねっ。かっこよかったですよ、すごい。
manaka:そうですよね。すごいバラバラなので。
今井:ほんとバラバラだったよね。
かれん:バラバラでしたね。
今井:でもこれがやっぱ特徴、なのにみんな歌えて、一旦ハーモニー始めるとブワッとこう、ボイシングとか、ハモリが気持ちいいってやっぱ、強みですよねぇ。
全員:ありがとうございます。んふふ(笑)
manaka:今井さんも(今回の新アルバムを)まるっと、聴いてくださったということなんですけど。
今井:うんうん。
manaka:どう、でしたか…?あっはっはっは(笑)
今井:いや、なんかバラエティーに富んでるなーっていうのと、
全員:はい。
今井:今回自分も関わらせていただいて、プラス、自分が書いてない曲の中でも、なんだろ。「これぞリトグリちゃん!王道!」っていう曲から、あの僕が手掛けさせていただいた曲以外でも、「あ!すごい新しいとこチャレンジしてるなあ」って感じさせるとこもあって、やっぱすごく進化と発展というか未来、みたいなのをすごい感じる、そんなアルバムだったなあと思いました。
全員:うん、うん。ありがとうございます!
今井:しかも、あれですよね。この"SPIN"って曲は、メラニー・ジョイ・フォンタナさんっていうL.A.にお住まいのソングライターが手掛けられてて。僕、彼女と友達なんですよ。
全員:あ。へえ~!
今井:で、何曲かセッションしたりご一緒したこともあって。「あれ、書いてるし。曲、かっこえー!」みたいな(笑)
全員:あはははっ(笑)んふふふ(笑)
今井:これ、だって一番なんか、やっぱ今のアーバン系の、R&Bの感じに一番近い感じがして。
MAYU:そうですね。
今井:あっ、これはすごいチャレンジなんだけどすごくかっこいいことを、なんだろ。でもちゃんとリトグリが歌うとポップに聴こえるというか。そこがすごいな、と思いました。言葉の、グッと前に出てくる感じとかが、で歌いこなせてないと言葉がそんなパンッと出てこないんで、そこがすごいな、と思いました。そして踊ってましたね。
かれん:あぁっ、はい…。あははっはっはっはっ(笑)
全員:あはははは(笑)ありがとうございます。かれんがね(笑)
今井:良いビデオって思いながら…そうそうそう。
かれん:嬉しいです。
今井:あれどうしてあのビデオになったの?
manaka:かれんが元々ダンスがすごく得意で、しかもこの"SPIN"って曲が、「踊れる」ってかれんはずっと言ってて。
今井:うんうん、確かに。ビートもね、結構ガッツリした曲ですもんね。
かれん:そう、それで、スタッフさんから、独りで、踊るビデオを作ろうと思うって、言っていただいたので。私が普段受けてる好きな先生に、振付をしていただいて。
今井:うんうん。あ、そういう経緯だったのねー。
かれん:はい。今回、こういう形で、出しましたぁ(笑)
今井:多才ですねぇ~。弾き語り、するかと思えば!踊っちゃって!
かれん:あっはっはっ(笑)えっへっへっへ(笑)
今井:なんと多才なんでしょう。
かれん:いやいやいや…(笑)
manaka:それでは、そろそろ早いところでお時間なんですけれども、最後にもう一曲、今井さんに選んでいただきました。こちら『BRIGHT NEW WORLD』の中から、自分の曲じゃないんだけれども、今この会話にも登場した、この曲を。
今井:いやこれね、一曲選ぶの超ムズかったんだよ!
全員:あはははっ(笑)
今井:僕も、世代的にもEarth, Wind & Fireもちろん大好きだったし、この曲もあの曲もってなったんだけど、やっぱり何かもう、この新しさの、自分が求めた新しさとまた違った切り口で、新しさがバツグンだったことと、知ってる人が書いてたから応援したくなっちゃった(笑)
全員:あははははっ(笑)
今井:みたいな(笑)そういう感じです!ので、私がオススメしたい曲は"SPIN"です。
manaka:はい。ありがとうございます。ではそんな"SPIN"を聴きながら、今井さんとは、お別れです。
今井:早いっ。
全員:早いですぅ~。
manaka:もっと、おしゃべりしたかったんですけど。
アサヒ:それでは、聴いてください。Little Glee Monsterで"SPIN"。
manaka:ゲストは、今井了介さんでした!ありがとうございましたー!
今井:ありがとうございました!
全員:ありがとうございましたー!
M4: "SPIN" Little Glee Monster
Little Glee Monster 『SPIN』Music Video
manaka:聴いていただいたのは、Little Glee Monsterで"SPIN"でしたー!
かれん:イェイ、イェーイ!
MAYU:やっぱりかっこいいですね。
manaka:ね、良い曲です。
芹奈:はい。
manaka:というわけで今回は、音楽プロデューサー今井了介さんにゲストに来ていただき、出たばかりのアルバム『BRIGHT NEW WORLD』と、私達リトグリの生み出すサウンドを分析していただきましたが。やっぱなんか、今井さんすっごい!!
アサヒ:うん、すごい!
manaka:なんか、お話もうまいですし、面白いですし。
全員:うん、うん。ねっ。
manaka:なんかめちゃめちゃね、あっという間。
MAYU:うん、(時間経つのが)早かったですね。
芹奈:早かったですね。うん。
manaka:"ECHO"も"In Your Calling"も、なんか別の意味で、また新たな自分達の中で大切になっていく。多分2つとも成長の仕方がね、どんどん違う曲だと思うので。
全員:うんうん、うんうん。違うね。
manaka:なんかライブとかで歌っていくのも楽しみだなっと思っています。これからも、作っていただけたらなと思いますっ。
全員:そうだね。
manaka:リトグリの曲も、よろしくお願いします!
全員:お願いしまーす!
manaka:では最後に、もう一曲聴いていただきながらお別れです。曲は"STARTING OVER"です。
アサヒ:はぁい。
manaka:この曲はですね、ほんとに、今までのリトグリらしさも残ってますし、再出発という意味もタイトルにはこもっていますので、そういう意味でも。なんか変わらないけども、変わっていく、自分達の良さとかも伝えられたらなという曲になっていますっ。それでは聴いてください。ここまでのお相手は、
全員:Little Glee Monsterでした!!
M5: "STARTING OVER" Little Glee Monster
Little Glee Monster『STARTING OVER』
【BGMや略歴で紹介された曲】
"Shake" DOUBLE
"ベイビー・アイラブユー" TEE